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20180406_71期生からの次世代リーダー報告

東京都立立川高等学校(全日制課程)

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71期生からの次世代リーダー報告

 High school life in America 4

 こんにちは。アメリカ留学中の次世代リーダー育成道場生、小林すずなです。帰国まで3か月を切りました。今回は海外留学を考えている人、または日本以外での生活を考えている人向けに約7か月の留学生活で学んだことを書きたいと思います。

 まず、日本以外のコミュニティーで暮らすことについて。一番意識すべきことは、自分の意見を声に出して言うことです。これは、外国人と生活する上で重要だといわれていることだと思います。私がそうでしたが、日本人は「空気を読む」ことで成立しているコミュニケーションが多いと思います。実は日本は世界で一番コンテクストの高い国らしいです。これは、「言葉に出さなくても、相手に伝わることが多い。」もしくは「言葉に出さないけれど、相手に伝わること要求する。」というコミュニケーション文化を持った国という意味になります。対して、私の留学中のアメリカはコンテクストの低い国とされている、つまり「言葉に出さないと伝わらない」が当たり前の国となっています。私はそれを理解していたつもりでした。しかし、今振り返ってみると口に出さずに相手に理解を要求してしまう時の多さに気が付きました。例えば、されて嫌だったけれどちゃんと口に出してやめて欲しいと言えなかったことなど、ホストファミリーや友人関係、私がもっと口に出して意見を発していたら状況は違っていたかもしれないと後悔していることは多いです。「察し」という言葉がある日本とは全く違う文化の国であることに気づかされたときでした。

 また、「遠慮すること」ついても同じことが言えると思います。私は今もそうですが、流暢に英語で会話を続けられません。その為、私が話すと話を途切らせてしまう迷惑になると考え、話せることがあっても会話に参加出来ない事が多かったです。ある時、日本の大学に通うマレーシア留学生が「自分は日本人に壁を感じる、どうしても本当の仲良しにはなれない、それは「遠慮」の文化があるからだと思う」と話している動画を見ました。私は留学生で彼の話中とは逆の立場ですが、もしかしたら私の友達も同じことを感じているかもしれないと思いました。私は会話の流れを遮ってはいけないという遠慮の気持ちから話しませんでしたが、相手はなぜ話さないのだろう、私たちに話したくないのだろうかと感じていたかもしれません。遠慮は自分とは異なる他人を気遣い、相互の間にワンクッション置くことだと思います。しかし、日本人はその距離を取りすぎてしまうことがあるのではないでしょうか。アメリカで人と関係を築きたいなら遠慮の気持ちを捨ててみる、周りを気遣って話さないのではなく自分の思いを人に正直に言う、これを私は心がけようと思うようになりました。

 また、私はアメリカに来てから彼らに何かしらの決定的な違いを感じていました。それは、大げさな言い方に聞こえるかもしれませんが、生きていく上での意識の違いのようでした。もちろん個人によって差異はありますが、自分が自分であることの意識の高さ、自分に対する自信の大きさ、クラスや友達同士などのコミュニティーの中での一人ひとりの在り方に日本人とは決定的な違いがあるようでした。なにが彼らと私たちの違いを作っているのだろうと考えていたとき、「個人主義」と「集団主義」という言葉に行き当たりました。日本では周りの流れに合わせようとする傾向が強いけれど、アメリカではあまり周りがどの方向に向かっているのか気にしないで個々人が意見を言うことが多いです。集団主義の国とされる日本ではもっと個人が集団の中での役割を意識して生きているような気がします。そして、アメリカでは役割を気にしないで生きている人が多いです。これは意識下の問題なので説明しにくいですが、私は日本に居る時、集団の中での自分の役割もしくは位置を探って、それに合わせて行動していた気がします。しかしアメリカでも自分を「留学生」という立場に置いて行動しようとしたとき、留学生の少なさや一人ひとり全く違うことから「留学生」の形を見つけることはできませんでした。そして、現地の子が集団の中での自分のポジションを定めて行動してない様子を見て、ここでは周りを探って周りに合わせた自分でいるのではなく、一人の個人として確立した自分でいなくてはいけないことに気が付きました。一つのコミュニティーの中にいても「集団」という枠を感じずに個として行動すること、これが個人主義国といわれる国の文化なのだと思います。

 ここまで、読んで頂きありがとうございます。私はこのエッセイの中で日本とアメリカで対立させて書いているつもりでしたが、本当の対立の対象は日本人留学生としてアメリカに来ている私とその私から見えるアメリカの文化であると気付きました。私の感じたこと思ったことと外部から得た情報を繋げて文章にしていますが、それが正しいのか分かりません。だからこれを事実だと思わず、それぞれで実際に体験して考えて自分の意見を出してもらえると嬉しいです。

2月頃のグランドキャニオンです 

年間行事であるイースターのためにゆで卵に色付きのお酢で色を塗りました

最終更新時間:2018年04月06日 18時13分16秒

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