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20201028_大学出張講義を実施

東京都立立川高等学校(全日制課程)

〒190-0022 東京都立川市錦2丁目13番地5  TEL 042(524)8195  FAX 042(527)9906

大学出張講義を行いました

 令和2年10月28日(水)5・6時間目に、「大学出張講義」を開催しました。

 この行事は、高校2年生を対象に、学問に対するさらなる興味・関心の向上と、進路選択の決定など自己実現に向けた意欲の高揚を目的に、毎年実施しています。

 今年度は、コロナ禍でオンライン授業が多く行われている中、大学で教鞭を執る9名の先生方にお越しいただき、それぞれの専門分野を題材に90分の講義をしていただきました。

 今年度の講義内容、および講師の先生方は以下の通りです。本校の教育活動にご賛同下さり、ありがとうございました。

 生徒の感想

大学で学ぶ「教育学」とは

  • 筑波大学 人間系 教育学域  准教授 田中 マリア先生
    • 教育学という学問が、実践的なものでなく教育の本質を考える学問ということで、今回はその学びの一端を知ることができました。ルソー、ヘルバルト、デューイのそれぞれの教育論は、時代背景も異なる中でそれぞれ異なる点があり、3人の論の講義を通して、今の学校における教育というのをぼんやりと考えることができました。先生たちは何を目的にして、生徒をどのような姿に導きたいのかを批判的に考えてみるのもいいと思いました。
    • 教育学系統の、根本から考えていく学習や、デューイの考える学習は、普段自分たちのやっている探究と似たものがあって面白いなと思いました。「園芸的教育観」は、いろいろな性格の人間がいるのは植物が色も形も咲く時期も異なるのと同じなのかな?と思い、共感できる教育観でした。また、「当たり前」の認識を外に出たり客観的に考え直してみたいと思いました。とても興味がわく面白い講義でした。

サブサハラ・アフリカにおける言語の多様性

  • 東京外国語大学 大学院総合国際学研究院 准教授 坂井 真紀子先生
    • 歴史の授業で植民地支配について習ってきましたが、私自身の認識は「国境」と「文化」のイメージが強かったので国境から言語、言語から文化という連続性があり、それが今も根強く残っているということに感動しました。そして支配されたことによって得た言語に対する愛と支配された国への憎しみというジレンマを抱えながら力強く生きるアフリカの人々の姿が目に浮かびました。アフリカ系の方々の音楽的感性の高さは文化継承だけでなく自然と体に流れるリズムもかかわっていると知りとても勉強になりました。
    • まず、アフリカに2000以上もの言語が存在することに驚きました。一つの言語を極めても、通用する範囲が限られていると聞き、小学生のころ、JICAで働く父親と一緒にタンザニアに住んでいた友達が、「英語に加えてスワヒリ語も話すのが大変だった」と言っていたのを思い出しました。私は、韓国語と日本語は結構似ている部分があるなと思い、少し興味を持っていましたが、今日の講義を聞いて、「言語」というひとつの点に着目しただけで、国家、歴史、文化などいろいろなところに話が派生していてすごくおもしろいなと思い、興味の持てる分野が一つ増えてとてもよかったです。「海外」とひとくくりに行っても、地域、民族によって文化・言語・価値観が全然違うとわかったので、留学や第二外国語にも手を延ばしてみたいなと思いました!

もし法律のない世界に100人の人間がいたら…

  • 中央大学 法学部 教授 遠藤 研一郎先生
    • 流動的で面白い学問だと思った。特に、自分の考えがそれぞれある中で、それを前提に客観的であろうとする視点、特殊なケースをカバーできる普遍性(?)をもたせながら悪用も防ぐ条文にある、言葉遊び的な要素(と言うと語弊がありそうだが)に興味を持った。問題が起きたらすぐ対応できるように変える、業界全体の勤勉さを感じた。
    • 私は、女性と貧困の問題についてが強く印象に残りました。普段の生活の中で、周りの人たちの認識に疑問を持つことが多くありました。すでに男女平等な世の中であるから女性のための制度は不平等だとか、貧困家庭への援助はずるいだとかいう声を耳にするたびに、それは実際とは違うのではないかと思いました。今回、先生のこのお話を聞き、自分の感覚は正しかったと感じ、あまり楽観的に行動しないで行こうと思いました。また、自分は無力だと考えず、未来への希望も忘れない大人になろうと思いました。

早稲田大学商学部での学びについて

  • 早稲田大学  商学部 教授 小倉一哉先生
    • もっと専門的なお話だと思い身構えていたのですが、私たちにもわかりやすく今後の人生に参考になるようなお話でとても面白かったです。時期的な問題で将来の進路を決める一歩になる学部選択にとても悩んでいましたが、本日の話をお聴きして将来やりたいことが決まっていなくても大丈夫だとわかり少し心が軽くなりました。
    • 才能・努力・運が必要という言葉が心に響きました。私は運がよく本当に恵まれていて、このことに感謝したいです。一人でも多くの人が幸せになってもらうために、努力を怠らずに頑張り続けようと思いました。

からだの中で活躍する金属〜材料科学からの医工連携〜

  • 東北大学 工学部材料科学総合学科 准教授  上田 恭介先生
    • 大学選びのときに街についても調べるという新たな視点を持つことができました。実践してみます。理学と工学の違いが今までよくわからずモヤモヤしていましたが、本日のお話を聞いて発見するのが理学で、発明するのが工学だということが分かりました。材料科学という分野を私は今まで知りませんでしたが、私たちの生活に欠かせない重要な学問だと思いました。今回、実物もみせていただき面白かったです。特に印象にお残ったのはステントで、これによって多くの人が助かっているのだなと思いました。
    • 東北大学の魅力も含め、色々なことを知れてよかったです。特に、東北大学の立地の良さは大学を選ぶ際の指標になりうると思います。バイオマテリアルの話では、ステントなどが実際に使われ始めていることに驚きました。僕は体内に異物を入れることに対して少し抵抗があるのですが、僕が生きているうちにそこも含めてこの分野の発展を楽しんでいきたいと思います。

数学と物理と材料と私たちの暮らし:コンピュータは何の役に立つのか

  • 東京工業大  科学技術創成研究院 教授 神谷 利夫先生
    • バンドギャップが大きいとき波表が短いものも通り、バンドギャップが大きい酸化物が透明であるから、透明な半導体を作ることが難しいという酸化物が透明な理由と、半導体を透明にするのが難しい理由がつながった時物事はつながっているんだなと思いました。また電子が必ず均一なエネルギーを持つわけではないという話などは面白かったです。指数関数的に高いエネルギーを持つ電子が減るというのは直感的には理解しやすいですが、どのようにしてそれを証明したかは気になりました。難しい話もありましたが、様々な日常に使用される材料が複雑な技術で作られていることは感じ取れました。
    • パソコンによるシミュレーションは、実際にはできないことや、ありえないこともできるため、もっといろいろやってみたいと思った。誤差について、あまり理解できなかったため、もっと勉強しようと思った。透明導電性酸化物(TCO)がタッチパネルに使われているということを知り、定期を使い始める前にずっと思っていた疑問が解消され、納得することができた。具体的な数学や公式が出てきたところはあまり理解することができなかったが、そういうものだと考えることができた。材料について、もっと知りたいと思い、物質理工学院により興味を持った。

ソフトマテリアル:やわらかいって素晴らしい

  • 上智大学 理工学部 物質生命理工学科 教授 藤田 正博先生
    • 高分子のことは化学基礎の教科書に書いてあったのですが、授業ではあまり取り上げられなかったので先生の講義を聴いて理解が深まりました。ソフトマテリアルと聞いてゲル。しか思いつかなかったのですが、液晶や界面活性剤もソフトマテリアルに入ると知り驚きました。ゲルがついているシャープペンシルを使っているとゲルがボロボロになってしまうので、指で押しても壊れないゲルがついているシャープペンシルを作ってほしいと思いました。
    • 難しい内容だったが、とても分かりやすい説明で興味深かった。ソフトマテリアルのすごさが少し理解できた気がする。特にゲルの性質に驚いた。実際にゲルが水を吸うのは初めて見たが予想以上の速さだった。ただそれ以上にその仕組みがすごいなと思った。イオンや浸透圧で水を吸い込むという発想が出てくるのが不思議だった。また、研究の中身以外の話もためになった。

実験室で見る宇宙の物理

  • 東京都立大学 理学部 物理学科 教授 田沼 肇先生
    • パワーポイントの資料や、説明がとても分かりやすく、引き込まれました。物理分野だけでなく、地学や化学の分野もまじえていった話に興味がわき、時間がとても短く感じました。個人的に中性子星のことが中学生の時に気になっていて、今回中性子星や、中性子星同士の合体の話など先生の体験から聞けたことが有難く、貴重な時間になりました。紹介されていた御本や「物理学70の不思議」も拝見したいと思います。本当に楽しかったです。
    • もともと興味のあった宇宙ですが、今回の講義でさらに興味が深まりました。私の志望学部は工学部なので、今回の公演は進路を固めるにあたり、大変貴重なものとなりました。内容は難解でしたがかみくだいて説明して下さったおかげで少しは理解できたと思います。特に太陽風の話は興味深かったです。

医療の進歩はがん患者さんを救えるか

  • 筑波大 医学医療系   教授 関根 郁夫先生
    • 3人に1人ががんで命を落とす現在、私もかなりの確率で罹患するのに、がんについてあまりにも無知でした。パターンに組み込まれて死ぬのが怖くて自分なりに治療法を探してもがいてみても、それすらも既存のパターンの一つでしかない。人はいつか死ぬのが運命であっても、いざ突きつけられると、怖くて正しい判断もできなくなるでしょう。今回の講座で基本的な知識をつけられてよかったです。
    • 現在のがん治療はとても進歩していてほとんどのがんが治るといわれていますが、まだすい臓がんなどは効果的な薬が開発されていないということが分かりました。また今までは「抗がん剤」とひとくくりで考えていましたがゲフィニチブや免疫チェックポイント阻害薬など様々な新薬が開発され医学が進歩していることを知り、改めてすごいことだなと実感しました。私も将来医師になりたくて、今日のお話で聞いたように患者さんが希望を持って生きていくために人とのつながりがあるということを伝え「できること」を提示して支えられる医師になりたいと思いました。

最終更新時間:2020年10月30日 21時45分54秒

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